研究課題/領域番号 |
18K13207
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
猪俣 朋恵 筑波大学, 人間系, 客員研究員 (80788472)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 発達性ディスレクシア / 読書習慣 / 読み / 語彙 / 小学生 |
研究実績の概要 |
発達性ディスレクシアは、文字の読みに困難を示すことから、読書活動を好まないと一般的には考えられている。しかし、発達性ディスレクシア児の中にも読書活動を好む児童がおり、読書活動の読み習得への貢献が期待される。本研究では、小学生の発達性ディスレクシア児とその保護者を対象に、読み検査、認知検査、読書活動に関する質問紙調査を実施し、発達性ディスレクシア児の読み習得度と語彙力、および読書活動との関連について明らかにすること、また発達性ディスレクシア児の読書習慣に影響する要因を明らかにすることを目的としている。 初年度は、小学3、4年生の典型発達児とその保護者を対象とした過去の調査データを基に、本研究で使用する質問項目を作成した。研究協力施設の責任者にも内容について意見をもらい修正を行った上で、データ収集を開始した。種々の読み物を読む頻度やどの程度読書を好んで行うかについてリッカート法で質問した。質問紙調査と並行して、子どもの読み検査(音読の正確さ、音読の速度、読解の検査)や語彙検査、認知検査(音韻認識、視覚的記憶、呼称速度)についても実施しデータを収集した。今後データ数を増やし、典型発達児との比較を行ったり、読書頻度と学習到達度との関連について分析を行っていく方針である。読書活動と音読の正確さ、速度、読解といったどの読み能力とに関連があるかがわかれば、症状に合わせた練習方法を提供する上での示唆が得られると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度途中で研究中断となり、半年間の研究期間と十分なデータ収集期間がなかったため、想定していたよりも収集できたデータ数が少なかった。しかし、質問紙を作成し、データ収集を開始することができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きデータを収集し、ある程度データ数が得られたところで分析も行っていく方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
出産育児のため研究期間が半年のみであったことから、当初予定していたよりも使用額が少なく、次年度使用額が生じた。今後必要に応じて、学会参加予定など目的達成に影響のない範囲で研究計画変更を申請し、データ収集や研究成果発表を行っていく方針である。
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