研究課題
若手研究
本研究では、自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder; 以下, ASD)児を対象に、少数事例研究計画法、定型発達児との群間比較法、ならびに眼球運動・動作解析といった手法を用いて、動作模倣の特性を評価し、指導法を開発した。本研究の遂行の結果、他者の視点からの見えに基づいた模倣が生起する条件(例えば、他者の手と顔を相互的に注視する)の一端が示唆された。
特別支援教育
従来、ASD児において空間的に反転した模倣が生起するのは「空間的な特異性(Ohta, 1987)」のためと認知的に説明されてきた。そのメカニズムを明らかにする必要性が指摘されてきたものの長らく未解明であった。その問題に対し、本研究では眼球運動や動作解析を指標とすることにより、Ohta (1987) の示唆を行動レベルで実証することを試みた。加えて、自分自身をいかに対象化するのかを検討したことは、ASDをより深く理解することにつながる。