移行を経験する当事者への支援が拡充されるためにも、「送り出し‐受け取る」支援者側の都合を考えなくてはならない。しかし、これまでの研究では、そうした支援者側の都合は十分に考慮されず、ただ情報の作成と引継ぎに重点が置かれてきた。本研究を通して、それぞれ異なる立場の支援者(あるいはその組織)が、どのような問題点や課題を有しているのかを明らかにした。これにより、2000年代に入って拡充されてきた、就学支援シートや個別の教育支援計画を核とした移行支援のどこに問題があり、その解決に向けてどう対処すべきなのか。これまでとは異なる方面から考えるための枠組みが提示された。
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