本研究に連なる前段階の研究で検討した,主に特別支援学校での知見を踏まえ,小・中学校での合理的配慮決定プロセスについて検討した結果,ICF-CYの概念的枠組は,実態分析や参加を促すための環境としての合理的配慮検討に有効であることが示唆された.小・中学校における合理的配慮決定に寄与することが期待される特別支援学校のセンター的機能については,障害種や小・中学校での違い等が確認され,従来の特別支援学校をリソースセンターに改編して,小・中学校等の支援を行ってきたポルトガルでの知見が有用だと考えられた.他方,提供されている合理的配慮の内容そのものについて分析した結果,観点別や障害種別の特徴が示唆された.
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