ASD児の中核的課題の一つとして、仲間と協同することの困難さが挙げられる。本研究では、ASD児とその仲間との協同を促進するために、スクリプト(生活文脈)を用いた支援方法を適用し、ASD児の仲間との協同の発達可能性を検討した。協同のレベルを①仲間との動作的協同、②言語を介した基礎的な協同、③会話による発展的な協同の3つに分け、各レベルで支援を行った。その結果、各レベルで、ASD児の仲間との協同活動が成立し、日常生活場面における仲間との関わり方にも変化がみられた。以上より、スクリプトを用いた支援方法を契機としたASD児の仲間との協同の発達可能性が示唆された。
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