研究課題/領域番号 |
18K13219
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
野田 航 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70611440)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | カリキュラムに基づく尺度 / データに基づく意思決定 / アプリケーション / response to intervention |
研究実績の概要 |
2019年度は,前年度に引き続き算数分野の基礎的学業スキルに関するデータマネジメントシステムの開発と,これまでに開発してきたカリキュラムに基づく尺度(curriculum-based measurement: CBM)を用いたアセスメント研究及び,CBMを用いた介入効果の検証研究を進めてきた。 データマネジメントシステムの開発については,前年度に引き続きデータの採点・入力を中心としたアプリケーション開発を継続した。しかし,業者側の開発にかなりの時間がかかり,今年度途中で業者側から「残りの期間と費用を考慮すると,画像認識技術を必要とする採点アプリケーションの開発は現実的では無い」旨が伝えられ,データ採点は諦めてデータ入力及びデータ分析及びその後の意思決定を支援するアプリケーション開発に焦点を写した。 CBMについては,これまでの研究データに追加する形で公立小学校1校において1年生から6年生児童を対象としたアセスメント研究を実施し,CBMと標準化された学力検査との関係性の再分析と,データに基づく意思決定をするための達成基準の算出研究を継続した。さらに,当該小学校においてCBMに基づいた学校全体での基礎計算力向上のための介入研究を実施した。 また,児童デイサービスにおける基礎的算数を対象とした介入研究を計画し,CBMによるプログレスモニタリングに基づいた介入研究を開始した。しかし,途中で新型コロナウイルス感染対策の関係上研究実施が極めて難しくなり,現在は一旦中止している状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データに基づく支援システムの中核的要素として予定していた,データ収集・入力・分析のためのアプリケーション開発の内容について,発注予定業者との内容調整に大きな時間がかかってしまった。当初(1年目)はデータ入力のための児童の回答を画像認識するアプリケーションについて業者と検討し,途中まで開発業務を依頼していたが,業者側から「画像認識でデータ入力を行うアプリケーションの開発は期間・費用の両面から現実的では無い」旨を伝えられた。残り期間と予算を考慮した上でのアプリケーションの内容の再検討(本来の研究目的に沿った変更内容)に一定時間がかかったが,現在では新たなアプリケーション内容としてデータ分析と表示に焦点を当てた計画に移り,開発計画及びアプリを使った実践計画を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
アプリケーション開発に関しては,2019年度の状況と残り期間及び予算との兼ね合いから,データ採点アプリの開発は中止し,データ入力及びデータ分析を中心としたアプリケーション開発への移行した。現在,開発業者と協議しながら開発を進めている。 教育現場でのデータに基づく意思決定の実践研究については,2019年度と引き続き公立小学校特別支援学級の児童や放課後等デーサービスを対象とした研究を継続して進めていき,アプリーケーション開発と並行してデータに基づく支援システムの構築を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
アプリケーション開発の計画変更に伴い,発注予定であった開発が終了していないために費用が残っている。 しかし,すでに新たなアプリケーション開発の計画は進行しており,次年度分との総合的な計画でデータ入力・分析アプリケーション開発を進めていく計画である。
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