本研究では定型発達児と発達障がい児を対象に,学習段階を連続的に捉えた移行促進的学習支援を行い,読み書き学習の獲得・段階の移行過程に付随した「読む・書く・見る」行動の変容を解明し,学習支援科学という融合領域を構築することを目的とした。その結果、読み段階が低い群や学習困難児よりも各対照群の方が特に書字場面での平均注視時間が短くなることを明らかにした。また、課題・訓練中の画面注視割合と読み書き獲得との関連や、書字の熟達化による視線機能の変容も示した。さらには、文節単位読み訓練を通じて発達障害児群と定型発達児群が同程度の文章理解向上を示したことから、同訓練により読み段階の移行につながる可能性を示した。
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