研究課題
若手研究
読字困難を認める極低出生体重児(VLBWI)では読字困難を認めるそれ以外(LBW/NBW)の児とくらべて、視覚性注意、目と手の協応、実行機能に関する項目での低下をみとめた。また、読字困難をみとめるVLBWIとLBW/NBW児のひらがな書字について検討した結果、VLBWIでは有意にひらがな書字の正答数が多かった。これらの結果から、VLBWIの読字の問題はLBW/NBWと異なる病態があると考えられる。また、WISC-Ⅳの「絵の抹消」課題は、手指の操作に関連する症状と相関することも分かった。
神経発達症
早産児では、学校での学習場面で困難さをきたすことが指摘されている。しかし、正期産児での学習の困難さとは、特徴が異なると考えられている。本研究を通して、その違いの一部を確認することができた。また、既存の検査項目と症状の関連を確認することができたことは、早産児の学習場面での困難さに気づく一助となると考えられる。また、早産児の特徴として、目と手の協応の関連が示唆されたが、この力は書字活動にも影響があると考えらえる。今後は書字についても検討を重ねていくことで、早産児のQOLの向上に寄与できると考える。