研究実績の概要 |
2021年度は、日本版ODRの基準関連妥当性の検討及び、日本版ODRのPC用のアプリケーションの開発を行った。日本版ODRの基準関連妥当性は、中学校1校の全生徒を対象に日本版ODRとしてODRの書式を使った生徒指導記録の件数を測定し、1年間の生徒指導記録件数と、自己評定版SDQ(Strengths and Difficulties Questionnaire)及び日本語版SLAQ(School Liking and Avoidance Questionnaire)の学校肯定感との相関について検討した。その結果、生徒指導記録件数とSDQの問題行動、多動・不注意、困難性総合との間に有意な相関が見られ、日本版ODRの基準関連妥当性が確認された。 日本版ODRのPC用のアプリケーションの開発では、開発したアプリケーションについて複数の学校に使用を依頼した。使用した現場の教員からのフィードバックをもとに改修を行い、日本版ODRのPC用のアプリケーションを完成させた。 2021年度は、2020年までに実施した特別支援学校における登校状況の記録に基づくデータシステムの開発及びその効果検討に関する研究と、日本版ODRを用いた中学校におけるSWPBSの効果検討に関する研究について発表を行った。登校状況の記録に基づくデータシステムに関する研究については、2021年度の特殊教育学研究に掲載された(田中, 2021)。日本版ODRに関する研究については、2021年度の日本発達障害学会第56回研究大会にて発表を行った(前川・荻野・田中, 2021)。
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