研究実績の概要 |
本研究課題では、学生を対象として図書館資料推薦システムを開発する。デジタル教材配信システムBookRoll上で、学生が表示している講義資料に関連がある図書館資料(学術論文、図書)を自動的に推薦することで、講義資料に関連する知見・事例に触れる機会を創出することを目的とする。本年度は本課題の最終年度であり、結果の取りまとめと機関リポジトリでの教材の公開を促進するための分析を実施した。 図書館資料推薦システムでは、図書館資料として、機関の構成員の教育・研究成果が公開されている機関リポジトリのレコードの推薦を行う。推薦されるコンテンツを充実するには、機関リポジトリ等の他システムと相互互換性のあるシステムで数多くの教材が公開されることが望ましい。このことから、機関リポジトリでの教材の公開について分析を行うとともに、オープンサイエンスへの展開について考察を行った。機関リポジトリで公開されている教材の件数は5,954件と多いが、日本の研究機関のうち10パーセント未満の研究機関しか取り組んでいないことが判明した。このことから、教材の公開についての取り組みは機関によって大きな差があるといえる。研究者による教材の公開においての課題として、教材の公開について研究者にとってはインセンティブが少ないこと、オープンコースウェア(OCW)等の教材のオープン化についての取り組みの歴史は長いが教材の流通等についての関心が低いことが挙げられる。
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