研究課題/領域番号 |
18K13243
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
高橋 聡 関東学院大学, 理工学部, 講師 (80630897)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ショートケースライティング / マンガケース / ケースメソッド / problem based learning / project based learning |
研究実績の概要 |
本研究は,ショートケースライティングによる知識活用学習法の開発を目的とする.本年度は,ケース教材を作成し,その評価実験を実施した. アスリートのメディア対応トレーニングに関する研究協力者および協力機関から提供された知見を元にケース教材を作成した.アスリートは自分自身,クラブ,所属協会,オリンピック委員会,自身へのスポンサー,クラブへのスポンサー,大会スポンサー,ファン,一般大衆,マスメディアなど様々なステークホルダーを考慮したメディア対応が求められている.これにSNSが加わることにより,アスリートがファンや一般大衆へメッセージを発信するようになったり,そのメッセージをメディアが再発信するようになったりとアスリートとメディアの対応関係が複雑化している.このような状況を主体的に捉え,行動できるようにするための教材を開発した. 作成した教材を利用して,トップアスリートに対する評価実験を実施した.実験結果から上記で想定したアスリートに必要なメディア対応スキルを測定できる可能性が示された.特にステークホルダーを意識するレベルがアスリートの経験年数で顕著に異なることや,選手,コートおよびスタッフ間で異なる情報に着目した意思決定を行っていることを教材により明らかにすることができた.また,競技の特性(特にスポンサーとの関係や組織運営方法)により着目する情報が異なることも明らかになった.さらに,研修内容もおおむね好評であり,引き続きの実施を求められている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画当初の協力機関での実施が困難となり,新たな協力機関選定を行ったため,研究進捗に若干の遅れが生じている.本年度は開発した教材を利用した実験を実施する予定であったが,教材開発およびその評価実験に留まっている.また,新型コロナウイルスの影響により,3月以降の実験がすべて中止となった.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの影響により,対面形式での実験実施が困難となった.そのため,作成した教材のオンラインでの実施方法検討およびオンライン実験の協力機関交渉を行う予定である.これらの活動により,研究課題の一つである“学習要素の埋め込みに着目したケースの設計法および評価法”を開発する.
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次年度使用額が生じた理由 |
進捗が遅れ,予定していた国際会議での発表ができなかったため差額が生じた. 本年度は,ここまでの進捗内容の学会発表およびオンラインを想定した教材開発への支出を予定している.
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