研究課題/領域番号 |
18K13249
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
小貫 睦巳 常葉大学, 保健医療学部, 准教授 (80708892)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 指圧技能習得 / 圧センサー / シミュレーター |
研究実績の概要 |
体圧分布測定機器を活用してビューワーソフトを改良し指圧シミュレーターの実験装置を作製した。指圧部位は体幹後部(腹臥位で腰背部)とし、両手の母指を使って同時に圧迫する手技としてモニタリングできる仕様とした。また指圧を受ける躯体を標準化するために上半身腹臥位のトルソを作製し圧センサーとセットで準備した。その上で本学鍼灸学科の学生を実験協力者として募り、指圧手技を測定および練習を行わせた。測定は脊柱の両側を左右等間隔で上下4カ所ずつ計8カ所をマーキングし、この部位を頭側から尾側へ繰り返し圧迫させた。その際、最初は右母指で右側の部位を、その後左母指で左側の部位を圧迫し(左右分離施行)、さらに両母指で左右同時に指圧を行った(左右同時施行)。そしてそれを3回繰り返し測定した。その際ゆっくりと同じリズムで左右同じ圧になるように意識して行わせ、一回に10秒程度かけるように指示をした。そして計測値を装置に付属する録画機能で記録した。分析はこの記録を基に計測値は各施行の最大値を求め3回の平均を算出した。またこの記録映像を基に巧拙の基準を検討した。 鍼灸学科の学生10名中計測が上手くいかなかった1名を除外し9名で集計した指圧計測値の結果は、左右分離施行の右が平均196.7±70.6、左が170.3±42.3、左右同時施行は右が175.9±56.2、左が141.4±40(いずれもmmHg)であった。全体的に右手よりも左手のほうが圧が弱い傾向が見られた。また左右同時施行は同時であるにもかかわらず圧のタイミングがずれる者がみられた。 今回作製した実験装置によって指圧技能の巧拙については、両母指での圧迫の①左右差がなく、②一定のリズムで漸増漸減し、③最大圧が一定であること、によって定義できると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
音声フィードバック機能の準備に時間を要することと、センサー装置の性能が予想より高くないことが判明したためである。
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今後の研究の推進方策 |
今回作製した実験装置によって指圧技能の巧拙については、両母指での圧迫の①左右差がなく、②一定のリズムで漸増漸減し、③最大圧が一定であること、によって定義できると考えられた。この巧拙の条件を作製した装置によってきちんと確認できるか、また装置の信頼性・妥当性の検討は次年度以降に行っていく予定である。 音声フィードバック機能については重要な根幹に関わることなので、時間がかかっても良いものを作製できるよう時間管理等を綿密にしていく。またセンサー装置の性能については現状の中で最大限に機能を発揮できるように調整して改良していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
音声フィードバック機能の付加が不十分であり、この予算にかける費用と次年度の装置の信頼性・妥当性の検討に使用する機器の購入費用に充てるため。
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