本研究の目的は、潜水と採取の海女のウニ漁モーションキャプチャを実現すること、多数の海底画像から小袖海岸の詳細な3次元地形データを生成し、海女の視線カメラ画像を用いVR空間の現実感向上を行うことである。 令和3年度も新型コロナウイルス感染症対策のため、計画していた研究できなかったので、研究期間の1年延長を行った。令和4年度も前年度に続き新型コロナウイルス感染症対策の制限が緩和されたが、久慈市の海女は地方ため、感染対策で観光などの外部者来訪を受け入れていなかった。このため、システムの体験学習のイベントの実施や、潜水調査などが中止となり、実施できなくなった。これにより、予定していた海女潜水調査が実施できなかった。 前年度と同様に研究の実施可能性を検討し、可能なことを進めることにした。5年目の段階として、前年度撮影した小袖海岸海底画像を基に海底の点群データ化を行った。その結果は550万頂点の1000万ポリゴンとシステムで動作させるにはモデルデータが大きく、1/50に削減を行った。この海底モデルを3Dエンジンへ取り込み、各種設定を行うことで高精細の小袖海岸モデルをHMDで表示することが可能となった。さらに、海底に自生しているコンブやウニを3Dモデル化して、海底モデルへ配置することで、夏季の海産物が豊富な小袖海岸海底を仮想空間に再現できた。その仮想空間の評価をダイバーや海女にしてもらうことができた。また、仮想体験システム一式のウェアラブル化試作実装では、小型デバイスに磁気センサを付加して、複数化の評価実験を行いその可能性を検証した。 また、これらの研究成果の一部については、The 28th International Symposium on Artificial Life and Robotics(AROB 28th 2023)の国際会議にて、論文発表や口頭発表を行った。
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