研究課題/領域番号 |
18K13254
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研究機関 | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) |
研究代表者 |
遠藤 雅樹 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 准教授 (00648967)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 技能科学 / 時系列分析 / ビッグデータ / ビッグデータ利活用技術 / 職業訓練 / カリキュラムモデル / クラウドコンピューティング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ものづくり現場の実践技術者を対象としたビッグデータ利活用技術者の人材育成を行うカリキュラムモデルを開発し、公共職業訓練に展開することである。ただし、現行の公共職業訓練では、第四次産業革命に伴う産業構造の転換期に対応した実践技術者の人材育成を行うカリキュラムモデルが構築されていない。 そのため、前年度に、公共職業訓練で展開されているカリキュラムを分析し、ビッグデータ利活用技術が展開できる内容を調査し、公共職業訓練における4つの分野(機械、電気、建築、電子・情報)の職業訓練の現場で発生するデータを使用した可視化や分析をモデルとするカリキュラムが必要であることを確認した。 当該年度では、所属組織の中で第4次産業革命に対応した職業訓練指導員の育成等に関する研究会を開催し、ビッグデータ利活用を含む職業訓練内容の検討調査を行った。その結果から、職業訓練におけるビッグデータ利活用を含めた第4次産業革命への対応が喫緊の課題であることが再確認できた。 また、並行してラーニング・ファクトリープロジェクトを展開し、工場を想定した一連の設備から発生する人・機械・センサから収集可能な訓練データを基にしたデータ収集・分析等を行うカリキュラムモデルの作成に着手した。これらの成果により、職業訓練におけるデータ収集の方向性とカリキュラムモデルの検討により実際の職業訓練における基礎部分のカリキュラム構想が概ね完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの進捗状況は、公共職業訓練ではほとんど実施されていない、IoTやAI・機械学習やロボットを統合的に活用した人材育成が求められる中、訓練中に発生する人・機械・センサからの訓練データを基にしたカリキュラムとすることで、IoTやAIの技術も含めたビッグデータ利活用技術を身に付けるカリキュラムモデルの構築の検討を進めている。特に、ラーニング・ファクトリープロジェクトを立ち上げ、今後の職業訓練に必要となるビッグデータ利活用の要素を含めたカリキュラムモデル構築に着手し、訓練設備の予知保全や訓練生自身の訓練の習得度の確認にビッグデータ利活用技術を利用するカリキュラムをモデル化することで公共職業訓練の現場教育に活用できると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終年度となるため、ラーニング・ファクトリープロジェクトを中心に第4次産業革命に対応する新たな職業訓練要素を含んだカリキュラムモデル構築を完了する。また、新たなカリキュラムモデルを実施する上で必要となる要素技術を職業訓練指導員研修を展開することで、全国の職業訓練現場への普及を推進する。さらにクラウドコンピューティングを活用した職業訓練基盤構築に対する調査を行い、本研究を活用した公共職業訓練へのビッグデータ利活用技術者養成に向けた取り組みを継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の執筆論文の校正回数が少なかったことが原因である。次年度は研究に関する論文執筆回数を増やし、成果を海外も含めて積極的に発表する。
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