研究課題/領域番号 |
18K13255
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
高橋 一将 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (90734814)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 科学論的内容 / 科学の本質 |
研究実績の概要 |
本研究では,我が国の理科教育に適した科学論的内容の教授目的を明確にし,それに基づいた学習内容と教授方略を提案することを目的としている。具体的には,次の3点の目的の達成を目指している。目的①は,研究が盛んな諸外国の理科教育で主張されている科学論的内容の教授目的,具体的な学習内容,そして教授方略を明らかにすることである。目的②は,国内の科学論的内容の教授に関する先行研究や先駆的な授業実践を明らかにすることである。目的③は,我が国の理科教育に適した科学論的内容の教授を考察することである。平成30年度は,目的①の達成に向けて,諸外国の代表的な研究者が著した科学論的内容の指導に関する研究論文や書籍を分析した。 収集した諸外国の研究者が著した研究論文や書籍の分析では,彼らが科学論的内容を教えることで何を目指しているのか,指導する際にはどのような具体的な内容が検討されているのか,そして,それらの内容を理科の授業においてどのように教えようとしているのかに着目した。これまでの分析では,科学論的内容の教授目的として,児童・生徒の科学的リテラシー育成が挙げられていることがわかった。教授において扱われる科学論的内容に関しては,多様な理論的背景に基づき,科学教育研究者によってさまざまな内容やモデルが主張されていた。教授方略については,科学論的内容を特定の科学的内容とどの程度関連付けて扱うかなど,教授を行う文脈が重要であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
やや遅れている理由は,次の2点である。1点目に,研究開始当初に想定していたよりも多く文献が入手できたことである。2点目に,所属機関での業務が予定よりも増加したことが理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は,国内の文献を収集し,科学論的内容の教授に対してなされてきた議論や実践例などを整理する。また,科学論的内容を扱った国内の先駆的な授業実践を観察する。これらに加えて,前年度に収集した文献の分析を引き続き進めていきたい。また,平成30年度に国際学会への参加による情報収集を予定していたが,平成31年度に本研究課題に関連する大きな国際学会が開催されるため,この会議への参加を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題に関連する重要な国際学会が平成31年度に開催されるため,平成30年度に予定していた国際学会への参加を平成31年度に行うためである。
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