本研究では、実証研究に基づいた「科学技術英語プレゼンテーションの教育プログラム」の開発を目的とし、特に、専門領域の英語教育 (ESP教育) に不可欠とされる「当該分野の専門家集団から得た知見」を取り入れた科学技術英語プレゼンテーションの指導法」を開発する。本年度は、最終年度として、当初の研究実施計に従って以下を遂行した。 1) Native English Speakerの科学者へアンケ―ト調査、およびインタビューデータの分析 2) Native English speakerの科学者からの知見に基づいた研究結果をより深い考察を加えて、スピーチ部分、および質疑応答部分の指導法に組み込める教育的示唆をまとめた。 3) 体系的にまとめたNative English Speakerから得た教育的示唆を、Non-native English Speakerから得たデータで構築した「科学術英語プレゼンテーション指導法」に導入し、内容を発展させた。4) これにより、当初の目的としていた「科学技術の専門家集団から得た知見」を取り入れた、スピーチ部分と質疑応答の両方を含む、体系的な科学技術英語プレゼンテーションの指導法を構築した。 5) 研究から得られた結果を取りまとめ、大阪大学マルチリンガル教育センター主催セミナーとして、「英語アカデミックプレゼンテーションを成功させる技術― 研究を基盤とした実践的手法 ―」を行い、研究結果を広く公開し、日本の若手研究者の国際発信力向上に努めた。また、日本科学教育学会第45回年会および、56th RELC International Conferenceにて研究成果を発表した。6) 研究結果の知見のまとめとして「理系研究者からの知見に基づく科学技術英語プレゼンテーションの指導法」を出版した。
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