高校化学教育を電子で指導するためのモデルを検討した。従来の模型は材料的な制約から化学変化をダイナミックに表現できない。この限界を乗り越えるためにVR・ARによる表現が考えられる。しかしデバイス・ソフトともに変革期にあり、モデルに実装する要件の定義は困難である。そこで本課題では、近未来の開発を念頭に、教育実践の評価を進めた。(1)溶解では「もし粒が見えるとしたら絵に描いてみよう」といった先行研究の問題点と溶媒の重要性を、(2)酸のはたらきでは金属・金属酸化物・塩の接続を、(3)重さ・体積について擬似閉合性から検討した。(4)体積の指導では、不定形の測定、変換の原理を重視するとの基本方針を得た。
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