研究課題/領域番号 |
18K13263
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研究機関 | 修紅短期大学 |
研究代表者 |
後藤 みな 修紅短期大学, 幼児教育学科, 助教 (10817711)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | プロジェクト活動 / ドイツ / 自然体験 / 自然科学 |
研究実績の概要 |
本研究は、ドイツの幼児教育において体験活動と知識獲得とを結びつける方法として注目されているプロジェクト活動を手掛かりにして、3歳~就学前までの子どもが自然科学の知識を獲得するための方法を探るものである。 下位目的は、第一に、文献調査と実地調査を通して、自然体験に特化したプロジェクト活動(以下、自然体験型プロジェクト活動と略記)の特質を明らかにすることである。第二に、第一の点を踏まえ、日本において自然体験型プロジェクト活動を実践する際のテーマや教材などを特定することである。そして第三に、日本の幼児教育施設において実践可能な自然体験型プロジェクト活動を開発し、保育者への調査を通して実践可能かどうかを評価、改善することである。 平成30年度は、特に第一の下位目的を達成するために、自然体験型プロジェクト活動に関する文献や資料を収集、翻訳し、それぞれの活動の目的、テーマ、教材などの観点から、多様性や共通性を調査した。また例えば、Antje Bostelmann, Christian Engelbrechtによる著書Das Apfelprojekt, Praktische Projektarbeit im Kindergartenの文献調査では、十分に把握できなかった事項があったため、実地調査を行なった。現地では、プロジェクト活動が行われた経緯、幼稚園や各教室の構造、周辺環境、使用された教材やその機能などについて調査した。その際、当時、プロジェクト活動を行った教育者(現在は基礎学校の教員)へのインタビュー調査も行い、教育者のプロジェクト活動に対する考え、活動の留意点や成果を探った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は、自然体験型プロジェクト活動にかかる文献と資料の収集と分析、および実地調査を踏まえて、自然体験型プロジェクト活動の方法の特質を解明することを計画していた。自然体験型プロジェクト活動の文献や資料で一部収集しきれていないものが残っており、方法の特質を精査しきれていないが、概ね計画通りに調査を進めることができたと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、平成30年度に収集しきれなかった文献や資料を収集、分析するとともに、さらなる自然体験型プロジェクト活動の特質を導く。また、日本で実践可能なプロジェクト活動を開発するために、活動を計画する際の留意点を踏まえるとともに、教育者の役割や子どもへの働きかけについて分析する。さらに日本の子どもたちの自然科学への関心、小学校での学習内容を踏まえて日本で実践可能な活動を考案する。
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