実務では,最新の測量技術が次々に導入されている.一方,岐阜工業高等専門学校環境都市工学科(以下,本学科)では,実践的技術者の養成を掲げているものの,基本的な測量技術の習得に留まっている.本学科を卒業した学生が現場で活躍するには,社会が求める最新の測量技術について学ぶ機会を提供することが重要である.しかし,本学科では,時間的・経済的な制約から,授業・実習の時間内にUAV測量を修得するための機会を設けられていない.また,現在,教員が一方的に知識を伝達する一方向型の講義形式から,学生が能動的に学習するアクティブラーニングへの転換が求められている.学習内容への理解度を深めるための取り組みとして,デジタルコンテンツの導入も進められており,ゲーム教材が着目されている.そこで,本研究では,UAV測量に関する知識を効果的に学習するためのゲーム教材を開発した.令和3年度は,これまでに開発した教材を本学科4年次授業「空間情報工学」に適用し,学生へのアンケートから教材を評価した.その結果,ゲーム教材に対して興味を持って学習に取り組める一方,操作性の悪さから学習への意欲を低下させていることがわかった.また,教材開発時からUAVの飛行ルールが追加されており,内容の更新が必要となった.そこで,ゲーム教材の内容を最新版に更新し,操作性の見直しを行った.さらに,実習の事前学習に利用できるよう,UAV測量の実施に関する内容を組み込んだ. 最新の測量技術を一般に啓発するため,2021年7月17日に「環境都市工学入門 夢を地図に残す~キーワードを探し出せ!~」と題した公開講座を開催した.最新の測量技術に関する講座のほか,GNSS受信機を使って構内に散らばったキーワードを参加者で協力して探し出し,1つの文章を完成させるフィールドワークを行った.小学校中学年以上の親子総勢33名に参加いただき,好評を得た.
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