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2019 年度 実施状況報告書

高専の長期一貫教育を生かした地域課題解決型授業の開発とステークホルダーへの影響

研究課題

研究課題/領域番号 18K13265
研究機関岐阜工業高等専門学校

研究代表者

川端 光昭  岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (40795176)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード公共交通 / 地理教育 / 授業開発 / モビリティ・マネジメント / 都市交通問題
研究実績の概要

本年度は大きくは以下に示す2つのテーマで研究を遂行した.

高等専門学校の低学年を対象にした土木と地理が連携したモビリティ・マネジメント教育の授業実践結果に基づき,この学習成果の詳細分析に取り組んだ.具体的には,学生の学習成果を計量テキスト分析によって可視化・考察し,以下のような知見を得た.(1)学生は,地理で学習した「持続可能な開発に関する3要素」を踏まえて,LRT導入の効果を検討しており,交通政策をテーマにした課題に対して社会科の学習内容を活用できている.また,LRTのような交通サービスを導入する際に,当然考慮すべきと考えられる地理的特性を踏まえた思考プロセスも確認できる.このことは,高専の地理を含む社会科目と土木の連携によって,学習内容のさらなる定着と,社会科目での学習内容と専門科目の学習内容の連動性を知覚する機会として寄与する可能性を示唆している.(2)LRT導入に対する賛否態度別に見ると,賛成グループは地域の活性化,交通弱者への対策,交通渋滞など都市交通問題の緩和など,反対グループでは,LRT整備による道路空間の再配分による既存交通への負の影響,現状での必要性の低さ,他の交通モードへ投資したケースとの比較などが,特徴的な共起関係として確認できた.その他得られた知見を含め成果の詳細は,国内学会誌(土木学会論文集)で公表済である.

最近の都市交通問題のトレンドを踏まえ,歩行者や自転車の安全性を授業テーマとするための基礎資料を収集・整理した.加えて,低学年の学生にも興味を持ってもらうための手法として,視線解析技術を用いた交通安全性の分析結果を教材に組み込むことを想定し,基礎的な分析に取り組んだ.とりわけ,自転車の安全性,無信号横断歩道の安全性に着目した分析を実施し,教材への展開を進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

低学年向けに地理と連携した授業実践に取り組み,その成果について教科教育学を専門とする大学教員との共同研究によって,地理・土木の両視点から分析が完了し,その成果も学術誌に公表済である.一方,当初計画から教育テーマを拡張し,今後の授業設計における基礎資料の蓄積が進んでいる.当初計画から一部変更してはいるものの,研究目的の達成に向け概ね順調に進捗していると考える.

今後の研究の推進方策

2019年度の調査データおよび分析結果の整理を進める.並行して,先進的取り組みをしている詳細調査対象事例を選定し,追加的な調査を実施し,一般科目と専門科目が連携した地域課題解決型授業の開発に向けた基礎資料を整備する.そのうで,学習段階に応じた授業カリキュラムの具体的設計を進める.

次年度使用額が生じた理由

物品費の費用を想定より抑えることができたことから次年度使用額が生じた.繰り越した研究費については,調査旅費に使用する見込みである.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 高等専門学校におけるモビリティ・マネジメント教育の展開方法の検討-土木と地理が連携した低学年での学習成果の可視化と検証から-2020

    • 著者名/発表者名
      川端 光昭,阪上 弘彬
    • 雑誌名

      土木学会論文集H

      巻: 76 ページ: 25~34

    • DOI

      https://doi.org/10.2208/jscejeep.76.1_25

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-01-27  

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