生産者-略奪者ゲーム状況では、両者ともに「確実な小報酬」を素早く獲ろうとする戦術を採ることが有利になりうる。本研究では「『確実な小報酬』を素早く獲る」行動の生理学的基盤の解明を目標として、ヒト実験参加者を対象とした行動実験および生理計測を行った。共食者の映像が呈示されると、実験参加者はより頻回に食物に手を伸ばすようになり、生理指標も変化した。また時系列解析により、「映像→実験参加者」と「実験参加者→映像」の双方向の情報の流れが生じることが示唆された。実験参加者は、食物を盗られる脅威に対して適応的な行動戦術にシフトした可能性がある。
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