ここ20年の間に、社会心理学において、態度などの潜在的測定は極めてポピュラーな方法となり、様々な場面で用いられるようになった。しかし、その主要な測定方法の基盤となる反応時間は、心的処理の結果として現れる結果焦点型の指標であるため、無意識のどのような処理を反映しているかは定かではない。その点において、本研究課題は、マウストラッカーという手法を導入し、分類課題における参加者の手の動きに着目することで、符号化と反応の段階における指標として分離することが可能となり、ブラックボックスであった「反応時間の差分」が何によってもたらされているか、潜在指標としての可能性を示すという意義が示された。
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