本研究は、社会的ジレンマ(SD)の解決策として提示されてきた集権罰(集団成員が資源を支援し、それを元手に罰を課す)について、集団の統治者側の視点を導入して、「集権罰による統治は、いかにして生まれるのか?」を明らかにすることを目的とした。具体的には、統治者不在の状況から特定個人への資源集中とその個人による効率的な罰が自生し、SD が解決する条件を明らかにしようとしたが、実験の結果、自生は簡単には起こらないことがわかった。また、コロナ禍の中で、対面/オンライン状況における協力行動の比較研究を着想し、実行した。状況により大きな違いは見られず、オンライン実験の結果の信頼性を示唆することとなった。
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