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2021 年度 実績報告書

安心と信頼が両立する階層的メカニズムの解明―地域社会群に対するマルチレベル分析―

研究課題

研究課題/領域番号 18K13275
研究機関東京女子大学

研究代表者

福島 慎太郎  東京女子大学, 現代教養学部, 講師 (80712398)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード信頼 / 安心 / 規範 / マルチレベル分析 / 地域社会
研究実績の概要

本研究は、個人レベルおよび集団レベルに応じたプロセスを弁別して抽出するためのマルチレベル分析を行うことで、「安心」と「信頼」が両立する階層的なメカニズムを検討することを目的として行われた。研究を通して、これまでに次の知見が得られた。
第一に、人間関係の流動性が低い個人において「安心」が「信頼」の形成を促進するが、集団全体で流動性の低い環境に置かれることで「安心」が「信頼」の形成を抑制する、という「安心」と「信頼」の階層的な関連が示された。
第二に、「安心」は個人レベルでは主観的幸福感を促進するが集団レベルでは主観的幸福感を抑制し、その傾向は人間関係の流動性が低い環境でより顕著であることが示された。ただし、集団レベルの主観的幸福感の抑制は必ずしも単純に人々の主観的幸福感を下げる負の効果を意味するものではなく、メンバー同士の幸福の相関(他者が幸福であれば自分も幸福であること/自分が幸福であれば他者も幸福であること)を高めることで、メンバー全体の調和を促すことに寄与していることが示唆された。
第三に、集団レベルで「安心」が「信頼」の形成および主観的幸福感を抑制する背後にあるメカニズムとして、「内集団メンバーに対する信頼」が「規範」として作用することで、住民は相手個人を「信頼」せずに個人を取り巻く環境に「安心」するようになることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 人のつながりと幸福感2021

    • 著者名/発表者名
      福島慎太郎
    • 雑誌名

      精神科

      巻: 39(5) ページ: 538-555

  • [学会発表] 信頼は集団レベルで規範に変化する―地域コミュニティ調査データに対するマルチレベル分析―2021

    • 著者名/発表者名
      福島慎太郎・竹村幸祐・内田由紀子・河村悠太
    • 学会等名
      日本社会心理学会 第62回大会
  • [学会発表] 文化的幸福感―多層的な人間関係の効果に着目して―2021

    • 著者名/発表者名
      福島慎太郎
    • 学会等名
      日本心理学会 第85回大会
  • [備考]

    • URL

      https://kenkyu-db.twcu.ac.jp/Profiles/3/0000255/profile.html

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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