研究課題/領域番号 |
18K13283
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
高田 佳輔 中京大学, 文化科学研究所, その他 (30817440)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | MMORPG / ソーシャルスキル / コミュニケーションスキル / 協調行動 / オンラインコミュニティ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,集団形態が複雑で流動的であり,かつ,課題の難易度が高いオンラインゲームのプレイヤーの,集団を維持する「チームワーク」や目標達成のための「合理的問題解決」といった能力を,ゲーム場面ならびに現実場面において縦断的に調査し,得られたデータを潜在方程式モデルによって分析することを通じて,ゲーム世界において獲得したソーシャルスキルが現実世界の対人関係スキルに及ぼす因果的影響を明らかにすることである。 以上の目的を遂行するべく,平成30年度に実施した研究の成果は次の通りである。第1に,継続して行なっていたパネル調査に関して3時点目の調査を実施した。第2に,2時点目までのパネルデータを用いて,1時点目の仮想世界における「合理的問題解決能力」が2時点目の現実世界における「合理的問題解決能力」に及ぼす影響について明らかにするために,交差遅れ効果モデルを用いた分析を行なった。第3に,パネル調査において新たに作成したオンラインゲームプレイ動機尺度に関して,その因子構造の妥当性について検証を行なうため,インタビュー調査によって資料を収集した。具体的には,大規模多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)をプレイする動機の時期による遷移について検討を行なった。 上記の研究成果は,学会報告および学術講演という形態でまとめることができた(研究発表欄参照)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は次の3点の理由から,本研究はおおむね順調に進展したと考える。第1に,本研究の遂行のために必要不可欠な,パネル調査の三時点目を実施することができたため。第2に,2時点目までのパネルデータを用いて,全体の変動を見るという観点から因果の検討を行うことができ,その成果を発表することができたため。第3に,オリジナル尺度の検証のため,インタビュー調査によって,その因子構造妥当性を検討することもできたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度で行なったパネル調査を,平成31年度も継続して行いつつも,本研究の目的である「ゲーム世界において獲得したソーシャルスキルが現実世界の対人関係スキルに及ぼす因果的影響」について,3時点以上のパネルデータを用いた潜在曲線モデルによって明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
パネル調査の参加者への謝礼の支払いは平成30年度に終了しているが,時期的な都合により,計上は次年度扱いになっているため。平成31年度に調査2回から3回分の謝礼が計上される予定である。加えて,平成30年度に購入予定であったデータ保管および統計解析用のパーソナルコンピューターは,スペックの関係上,平成31年度に発売予定のものを購入する予定である。
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