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2020 年度 実施状況報告書

都市居住が幸福感に与える影響に関する社会生態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K13288
研究機関久留米大学

研究代表者

浅野 良輔  久留米大学, 文学部, 准教授 (50711909)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード都市-地方 / 社会生態環境 / 幸福感 / 2次分析 / 北米 / 日本
研究実績の概要

令和2 (2020) 年度は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により新たな調査を開始できなくなったため、研究計画を大幅に変更せざるを得なかった。そこで、北米と日本において公開されている2次データを分析することにした。第1に、1972年から2018年に行われた総合的社会調査 (General Social Survey) に回答した北米人60,054名、および2000年から2012年に行われた日本版総合的社会調査 (Japanese General Social Survey) に回答した日本人21,501名の幸福感に関する設問を分析した。第2に、第1回から第7回までの世界価値観調査 (World Values Survey) に回答した北米人12,923名、および日本人9,248名の幸福感に関する設問を分析した。その結果、2つの社会調査に共通して、北米では、都市居住者の割合が高い年ほど年平均の幸福感が低かった一方で、日本では、都市居住者の割合が高い年ほど年平均の幸福感が高かった。第3に、2018年総合的社会調査に回答した北米人2,344名、および2012年日本版総合的社会調査に回答した日本人2,316名を分析対象として、居住地の規模と幸福感の関連を分析した。その結果、北米では、都市居住者ほど幸福感が低かったのに対して、日本では、都市居住者ほど幸福感が高かった。これらの分析結果は、前年度までの研究と同様に、北米の都市居住者は地方居住者よりも幸福感が低く、日本の都市居住者は地方居住者よりも幸福感が高いことを示唆している。こうした研究成果について、日本心理学会第85回大会、ならびに日本社会心理学会第62回大会にて報告を予定していると同時に、査読付き論文の出版に向けた執筆作業を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画の大幅な変更を強いられたものの、前年度までに得られた知見をさらに補強するエビデンスを獲得し、学会発表ならびに論文執筆の準備を進めることができているため。

今後の研究の推進方策

当初の予定通り、北米の都市居住者は地方居住者よりも幸福感が低い一方で、日本の都市居住者は地方居住者よりも幸福感が高く、その背後にある心理メカニズムとして、非公式社会的統制が関与しているかどうかを検証するためのウェブ実験を行う。
ただし、実施に際しては、得られる結果に予期せぬ影響を与える可能性があるため、新型コロナウイルスの感染状況を慎重に考慮する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由として、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い、予定していた調査の実施を見送ったこと、ならびに学会発表といった国内旅費・国外旅費の支出がなかったことが挙げられる。次年度使用額については、最終年度に計画していた実験の規模をより大規模にした上で、その費用に充てる予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Nanyang Technological University(シンガポール)

    • 国名
      シンガポール
    • 外国機関名
      Nanyang Technological University
  • [雑誌論文] 幼少期におけるモバイル端末利用と自己制御の関連2021

    • 著者名/発表者名
      浅野良輔・浦上 萌・徳田智代・園田直子
    • 雑誌名

      パーソナリティ研究

      巻: 29 ページ: 125-136

    • DOI

      10.2132/personality.29.3.1

    • 査読あり
  • [学会発表] Having a happy spouse is related to greater happiness2021

    • 著者名/発表者名
      Asano, R., Kanemasa, Y., & Komura, K.
    • 学会等名
      22nd Annual Meeting of the Society for Personality and Social Psychology.
    • 国際学会
  • [学会発表] 非公式社会的統制尺度の検討――日米における測定不変性と心理測定学的特性――2020

    • 著者名/発表者名
      浅野良輔・伊藤健一・一言英文
    • 学会等名
      日本社会心理学会第61回大会
  • [備考] 浅野良輔研究室

    • URL

      http://ryosukeasano.web.fc2.com/

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公開日: 2021-12-27  

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