研究課題/領域番号 |
18K13290
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
林 明明 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 行動医学研究部, 特別研究員 (90726556)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | インターネット調査 / 紙面調査 / オンライン調査 / オンライン実験 |
研究実績の概要 |
平成30年度では、まず研究1のために5因子性格特性(Big 5)を測定するための潜在連合テスト(IAT)の作成を試みた。Grumm & von Collani (2007)の作成したBig 5を測定するPC版のIATを参考に、Grumm & von Collani (2007)で使用した形容詞60個を日本語へ翻訳した。また、IAT課題の予備調査のため、まずは調査回答者のスクリーニングを行った。インターネット調査会社A社にて回答モニター登録をしている18歳~22歳の学生を対象にスクリーニング調査を行い、2399名の回答を得た。調査には、教示の理解と遵守を確かめるための設問(「以下の質問には回答せずに(つまり、どの選択肢もクリックせずに)、次のページに進んでください。」(三浦・小林, 2015))を設けた。調査の結果、教示の通りにどの選択肢もクリックせずに次のページへ進んだ回答者は556名(23.2%)であった。今後はこれらの回答者を教示遵守者とし、IAT課題の予備調査を行う予定である。さらに平成30年度では、オンライン実験と実験室内実験にも差があるのかを検証する研究3のために使用予定の課題作成を行った。Fillmore et al. (2006) をもとにしたCued Go / No-Go Task、Allen et al. (2013)をもとにしたReflexive Imagery Task、Robertson et al. (1997)をもとにしたSustained Attention to Response Task、Bialystok et al. (2004)をもとにしたVisual Simon Taskの日本語版を作成し、予備実験を行い研究3の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年度は研究開始初年度であったため、まずは所属機関の倫理審査委員会へ申請を行ったが、予想より実施の承認を得るために時間がかかったため、本調査や実験へは進まなかった。ただしその間に課題の作成や予備調査を行ったため、次年度は本調査や実験へ取り掛かることができる。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度(令和元年度)では、まずは5因子性格特性(Big 5)を測定するための潜在連合テスト(IAT)の作成を行い、予備調査を行った後に、オンライン調査および紙面調査のどちらの調査がより潜在的態度に近いのかを検討する研究1の調査を行う予定である。インターネット調査会社を通して、参加者を年齢層・性差を考慮したセミランダム方式により2群に分け、オンライン調査および郵送紙面調査の順番を入れ替え実施する。調査内容は主観的なBig 5を測定する質問紙Ten Item Personality Inventory(TIPJ)やNEO-FFI、さらに作成したBig 5を測定するIATを用いて、これら主観的報告および潜在的態度との関連を検討する。さらに、回答者の普段のインターネット使用行動、インターネットに対する信念、回答時の環境、使用デバイスの違いによって影響がないかどうかを調べる。研究2では、回答デバイスおよび実験室内外による影響を検討するため、平成31年度(令和元年度)では使用デバイスを用いた予備調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は研究開始初年度のため、まずは所属機関の倫理審査委員会へ申請を行ったが、予想より実施の承認を得るために時間がかかった。本調査や実験に取り掛かることができなかったため、課題の作成のためのソフトウェアの購入のみを行い、調査費や実験謝金の使用は次年度への繰り越しとなった。次年度はインターネット調査会社を利用した調査や参加者を募集して実験室内外で調査・実験を行う予定である。
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