研究実績の概要 |
令和4年度では、オンラインおよびオフラインで回答する際のリスクテイキングの程度を検討するため、General Risk Propensity Scale(GRiPS)(Zhang et al., 2019) の日本語版の作成を行った。GRiPSは8項目によって構成された全般的なリスクテイキング傾向を測定する尺度である。原著者の許可を得たうえで、バックトランスレーションを経て日本語版を作成した。日本語版Domain-Specific Risk-Taking(DOSPERT) Scale(Blais & Weber., 2006)を含めたオンライン調査にて日本語版の信頼性・妥当性を検討した。調査会社へ登録の20歳から59歳までの回答モニタを対象とした。調査では回答する選択肢を指示する指示項目を設け、指示項目に従った回答を有効回答とした。1回目調査の有効回答は1250人(女性643人、年齢平均41.5歳)、およそ1か月後に実施しした2回目調査の有効回答は509人(女性257人、年齢平均40.3歳)であった。2回の調査におけるGRiPSのα係数はともに.93であった。また2回の調査間の相関係数は.67であり、内的一貫性および再検査信頼性が確認された。また、日本語版DOSPERTの5つの領域の下位尺度すべてと有意な相関が認められ(r=.12-.41, all ps< .001)、日本語版GRiPSの妥当性が確認された。
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