研究課題/領域番号 |
18K13291
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
明地 洋典 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (50723368)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自閉症 / 社会的認知 / 選好性 / 認知科学 |
研究実績の概要 |
今年度も、自閉スペクトラム者(自閉スペクトラム症の診断を受けた者)と非自閉スペクトラム者の選好性について検討を行った。今回は、自閉スペクトラム者が特異的な選好を示す可能性のある事物の特徴として規則性に焦点を当てた。視覚刺激の規則性の高低によって選択に偏りが見られるかどうか検討を行った。要素が規則的に配置された図形と要素が無作為に配置された図形を用意した。新型コロナウイルス感染拡大を受け、対面調査ではなく、オンライン調査を行った。参加者は、小学生から成人までの自閉スペクトラム者と非自閉スペクトラム者であった。規則性が高い図形と規則性が低い図形を対呈示し、好きな方を選択してもらった。その結果、自閉スペクトラム者も非自閉スペクトラム者も規則性の高い図形の方を約80%の割合で選んでいた。群間を比較した場合にも両群の間に差は見られなかった。本研究課題では、自閉スペクトラム者は非自閉スペクトラム者に比べて特定の事物や対象への選好性が高いことを想定している。今年度の実験では、規則性について焦点を当てたが、少なくとも、今回の実験で使用した視覚刺激および手続きでは、選好性の差が見られなかった。今回は、単純な静的な視覚刺激を用いて規則性を操作したが、自閉スペクトラム者の見せるこだわりなどを考慮すると、規則的な動きをする刺激などを用いることで、自閉スペクトラム者の特異的な選好を捉えることが可能となるかもしれない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大を受け、対面実験の機会が設けられず、限られた環境での実験実施に留まったため。
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今後の研究の推進方策 |
対面実験、オンライン実験、どちらでも対応できるよう課題の準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の研究を進めるにあたり、研究費使用の機会が少なかったため。
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