保護者等の障害児への付き添いを検討したことで明らかになったのは,障害児を「私たち」から排除し,特別支援教育や家族など「あちら側」の問題にしてきたこの国の実態であった。保護者あるいは特定の者が終生障害のある者に関わるしかなく,限られた者のみの介助体制は自ずとその人の生活圏を制約する。そしてまた、特定の他者のみに取り囲まれた障害のある者の問題は、普遍的な問題としてではなく、特別な問題として周囲に理解され、社会に根付いていくこととなる。障害児への親の付き添いは、障害児の教育の権利にとどまらず、教育とは何をする場であるのか、どのような社会を構築していくのかという議論へと結びついていくテーマである。
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