本研究は,高校2年生約300名に実施された国語の大学入試問題の回答を対象に,評価基準や評定者が記述式テストの結果に及ぼす影響について検討を行った。評価基準の検討においては,評価基準A:正答,誤答,無回答,評価基準B:評価基準Aの内容に準正答を加えた評価を設定し,2つの評価基準を用いて評価を行った。その結果,特定の設問においては識別力が高くなることが示唆された。評定者の検討においては,3名の評定者の評価がどの程度一致しているかを検討した。その結果,評価をする際の判断が評定者に委ねられる設問においては,一致度が中程度にとどまり,評定者によって受験者の評価が大きく異なり得ることが示唆された。
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