研究課題/領域番号 |
18K13304
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
吉武 尚美 順天堂大学, 国際教養学部, 准教授 (40739231)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | スクール・エンゲージメント / 縦断調査 / メンタルヘルス / 学業成績 / 対人ネットワーク / サポート / 葛藤 / 学校段階 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,学校生活への積極的な参加態度を指すスクール・エンゲージメントという概念に注目し,不登校予防に関する有効な対人支援のあり方を検討することである。このため,米国で開発されたスクール・エンゲージメント尺度を用いて,我が国の中高生のスクール・エンゲージメントの実態を把握するとともに,対人ネットワーク上の重要な他者からの影響を明らかにする。さらには,メンタルヘルスと学業成績への影響に注目することで,スクール・エンゲージメントが中高生の発達に及ぼす影響について検討する。これらの研究目的を実現するために,質問紙を用いた縦断調査を計画している。
2019年度の研究計画は,2018年度の調査依頼作業を経て調査許可の下りた中学3校,高校1校の全校生徒を対象に,中高生短期質問紙縦断調査の実施(3回のうちの2回分)を予定していた。しかしながら,新型コロナウイルスの影響であまり計画通りに進まなかった。まず調査への影響として,1回目は7月に行い,中学生1616名,高校生1409名のデータを集め,順調に進んだが,2月に予定していた追跡調査が,新型コロナウイルスの影響で,半数の学校で実施できなかった。また,学会活動にも影響があり,3月にSociety for Research on Adolescenceでの発表許可を得ていたが,開催キャンセルとなり,1回目の調査データをもとにした研究成果の発表ができなかった。結果を修正したものを,2020年9月の日本教育心理学会で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響で7月に実施できた中高のうち,2月に追跡調査ができたのは中学校2校にとどまった。また,3月に予定していた学会発表がキャンセルとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度には質問紙調査を継続実施し,感染症流行の状況を考慮しつつ,できれば7月にすべての調査協力校で実査を行うべく連絡を取っていく。これにより,2019年度に2回の調査ができた学校は半年間隔で3回の追跡データが完成する。2019年度に1回の調査しかできなかった学校は,1年間隔で2回の追跡データが揃う。それぞれのデータの特徴を踏まえた分析を駆使し,スクール・エンゲージメントについての多角的な知見を発信する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2回目調査が半数の学校で実施できなかったため,データ入力の人件費が予定を下回った。また,国際学会での発表を予定していたが開催キャンセルとなったため旅費請求がなくなった。 2020年度には調査を再開するとともに,国内外の学会にできるだけ多く参加する予定である。
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