研究実績の概要 |
申請者を中心とした研究グループは、研究課題前より取り組んでいた妊娠届出書から得られた情報を用いて妊娠期DVを予測するスクリーニングツールの開発に関する論文を発行した(Doi S., Fujiwara T., & Isumi A. Development of the Intimate Partner Violence during Pregnancy Instrument (IPVPI). Frontiers in Public Health, 2019.)。IPVPIは8項目から構成され、得点範囲は0-16点である。中程度の予測力を有し(ROC曲線=0.719, 95%信頼区間=0.698-0.740)、カットオフ値は2点であった(感度=79.5%、特異度=47.1%)。 IPVPIの精度をより高めるために、妊娠訪問支援中の情報を加えてIntimate Partner Violence during Pregnancy Instrument Revised(IPVPI-R)の開発に向けてデータ収集を現在行っている。IPVPI-Rの開発には、東京都足立区で2018年度から2019年度にかけて妊娠届出書を提出し、妊婦訪問支援の対象となった妊婦のデータを必要とする。2018年度は、2018年度のデータの一部を足立区より個人情報が特定されない形で受け取った。リアルデータであるため、受け取ったデータのクリーニングには足立区と確認すべき事項が発生し、データ入力の改善点を明らかにすることができた。クリーニングを終えたデータについては、現在解析中である。また、2018年度のデータクリーニングの結果を踏まえ、足立区と2019年度のデータの受け取りについて協議を重ねた。2019年度のデータを含め、再度スクリーニングツールの開発に関する解析を行う予定である。
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