研究課題
今年度は,仮想現実(virtual reality)や拡張現実(augmented reality),および代替現実(substitutional reality)を活用したさまざまな研究の包括的レビューを行い,脆弱性の改善可能性を有すると考えられる研究技術の検討を行った。その結果,こうした情報技術を活用することによって,従来の臨床心理学的介入方法のレパートリーの拡充や,介入効果の増強,さらには柔軟で鋭敏なアセスメント方略の開発につながる可能性が示唆された。また,ワシントンDCにて開催された国際学会や,他の国内学会においては,情報技術や臨床心理学的研究に関する最新の研究知見の収集に努め,研究代表者が行った人工知能技術に関する研究発表と,それに対するディスカッションを通じて,これらの手法を融合した学際的研究方略の開発について考察を深めた。我々がこれまで開発してきた人工知能技術を本研究課題に活用することは,本研究課題を発展的に拡張する可能性を有することが考えられ,次年度からの研究遂行に大いに資することが期待された。加えて,仮想空間を構築可能な研究環境の構築を行い,さまざまな仮想空間での予備的な実験を行った。こうした予備的検討により,どの技術が本研究課題の目的によりよく合致するか,といった実現可能性について,一定の知見を得ることができた。以上のように,本年度の研究活動によって,次年度からの円滑な研究遂行に向けた十分な研究環境と研究プランが構築されたと考えられる。
2: おおむね順調に進展している
現在までに研究実施体制が十分に確立されており,本研究課題の目的であったうつ病の生物学的脆弱性を改善する介入手法の開発に向けた検討が行われた。
次年度の研究課題を完遂するため,さまざまな技術を試作的に実装した複数の予備実験の同時進行を計画している。そして,予備実験の結果に基づいて,適切な介入手続きやパラメータの策定を行うことを検討している。あわせて,課題で得られた成果を迅速に発表していくことを予定している。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 図書 (4件) 備考 (1件)
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