研究課題/領域番号 |
18K13323
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山本 哲也 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (60779396)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 仮想現実 / VR / 拡張現実 / うつ病 / 脆弱性 / 機械学習 / 認知行動療法 / 人工知能 |
研究実績の概要 |
今年度は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策を受けて,研究の実施が困難となった期間はあったものの,脆弱性の改善可能性を有する可能性がある仮想現実(virtual reality)を活用した基礎技術の開発・および予備実験を行った。その結果,面接場面において,こうした情報通信技術を活用することによって,心理的苦痛の軽減のみならず,従来の臨床心理学的介入方法が有していたデメリット(時間的・金銭的コスト,アクセスの問題,スティグマなど)の解決につながる可能性が示唆された。 また,情報通信技術や臨床心理学的研究に関する最新の研究知見の収集に努め,研究代表者が行った人工知能技術に関する研究発表と,それに対するオンラインでのディスカッションを通じて,これらの手法を融合した学際的研究方略の開発について考察を深めた。我々がこれまで開発してきた人工知能技術を本研究課題に活用することは,本研究課題を発展的に拡張する可能性を有することが考えられ,次年度からの研究遂行に大いに資することが期待された。 加えて,上記の基礎技術を実現可能とするため,仮想空間を構築する研究環境の整備を行い,さらに大学における研究環境以外の日常場面での実験的な検討を行った。こうした検討により,どのような実施の仕方が本研究課題の目的によりよく合致するか,といった実現可能性について,一定の知見を得ることができた。 以上のように,本年度の研究活動によって,次年度の研究の遂行に向けた十分な基礎検討と研究プランが構築されたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍によって当初の計画の変更が余儀なくされたが,現在までに研究実施体制が十分に確立されており,本研究課題の目的であったうつ病の生物学的脆弱性を改善する介入手法の開発に向けた検討が行われた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の研究課題を完遂するため,倫理審査申請や,一連の実験手続きの調整,そして遂行を行う。遂行の際には,予備実験の結果に基づいて,適切な介入手続きやパラメータの策定を行うことを検討している。あわせて,課題で得られた成果を迅速に発表していくことを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:コロナ禍により,実験実施の予定変更を余儀なくされたため,次年度使用額が生じた。 使用計画:次年度は,本実験開始のため,実験参加者への謝金が特に多く必要になると予想される。そのため,次年度研究費(人件費・謝金)と合わせて使用する計画である。
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