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2021 年度 実施状況報告書

慢性疼痛患者の適応過程の分析とACTプログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K13326
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

酒井 美枝  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (80813120)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード慢性疼痛 / アクセプタンス&コミットメント・セラピー / ACT / 集学的アプローチ / 補償を伴う選択的最適化理論
研究実績の概要

慢性疼痛患者の生活の質を向上させる心理的アプローチとして、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)の有効性が示されてきたが、身体機能の低
下が著しい場合、さらにはそれに伴う環境変化にあわせて、どのように適応するか、という課題が残されている。
本研究では、この課題の解決を目指して、①慢性疼痛患者に対して、暫定版のACTプログラムを実施し、その結果生じる適応過程について、行動レベルでの質的分析を行う、②その分析結果をもとに、幅広い病態の慢性疼痛患者に適用可能な改訂版のプログラムを作成し、その効果について予備的検討を行う、ことを目的としている。さらに、それらの研究を通して、無作為比較試験によって改訂版ACTプログラムの効果検証を行う準備を整えることを目指している。
2020年度までに、暫定版ACTプログラムを用いて、予備的単群介入研究を行い、幅広い病態の慢性疼痛患者23名に対する集団形式の介入とフォローアップ面接が終了している。また、本研究への参加が困難であった一部の患者には、プログラム内容を一部改変して介入を行った。2021年度においては、2020年度に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、個別形式でも研究データを取る形とした。作成した改訂版ACTプログラムは個別形式での介入を進めており、現在までに、45名の患者が参加登録され、継続介入中である。
その結果は、事例報告の形で「第51回日本慢性疼痛学会」や「第117回日本精神神経学会学術総会」などの関連学会において、研究報告を行った。
以上の実績により、現在は、上述の①が完了し、②の改訂版プログラムの施行継続とデータ収集を整えている状態である。①の結果についても論文投稿の準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2021年度は、改訂版ACTプログラムを用いて、個別形式で予備的検討を進めている。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、介入を個別形式に切り替えたことで、データ収集に時間を要している。

今後の研究の推進方策

改訂版ACTプログラムの効果の予備的検討を継続する。
2022年度は、暫定版ACTプログラムの効果と適応過程に関する分析を行い、関連学会での発表や論文化を進める。同時に、改訂版ACTプログラムの効果の予備的検討を継続し、関連学会での発表や論文化を進める。

次年度使用額が生じた理由

2021年度に予定していた国際学会参加を取りやめ、次年度以降に参加することにした。また、コロナウィルスの感染拡大を受けて、発表・参加予定であった学会が中止になったため(旅費)。
2022年度にも、2021年度から引き続き、終了分の研究成果を英語論文として投稿準備中である。英文校閲費・論文投稿費などが発生する見込みである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 薬物療法に併用してアクセプタンス&コミットメント・セラピーを実施した慢性二次性筋骨格系疼痛の一症例2021

    • 著者名/発表者名
      酒井美枝, 杉浦健之, 永田富義, 青木晃大, 近藤真前
    • 雑誌名

      慢性疼痛

      巻: 40 ページ: 131-137

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 慢性疼痛診療におけるアクセプタンス&コミットメント・セラピーの実際2021

    • 著者名/発表者名
      酒井美枝
    • 雑誌名

      総合リハビリテーション

      巻: 49 ページ: 959-964

  • [学会発表] 鎮痛補助薬の減量と趣味の再開にアクセプタンス&コミットメント・セラピーが有効であった慢性疼痛の症例2022

    • 著者名/発表者名
      酒井美枝, 大堀 久, 浅井明倫, 杉浦健之, 祖父江和哉
    • 学会等名
      日本ペインクリニック学会第2回東海・北陸支部学術集会
  • [学会発表] 反すう軽減とセカンドライフの充実にアクセプタンス&コミットメント・セラピーが有用であった一次性慢性痛2022

    • 著者名/発表者名
      酒井美枝, 杉浦健之, 青木晃大, 永田富義, 山本恵美子, 近藤真前
    • 学会等名
      第51回日本慢性疼痛学会
  • [学会発表] 術後遷延性疼痛に対する集学的治療と心理的アプローチの可能性-産科関連の痛みへの展望を含めて-2022

    • 著者名/発表者名
      酒井美枝
    • 学会等名
      第125回 日本産科麻酔学会学術集会・ニプロ株式会社 共催シンポジウム 周術期の痛みを考える
    • 招待講演
  • [学会発表] 慢性疼痛患者に対するアクセプタンス&コミットメント・セラピー:継続的なQOLの拡大と維持を目指して2021

    • 著者名/発表者名
      酒井美枝
    • 学会等名
      第117回日本精神神経学会学術総会 シンポジウム46 身体症状症および関連症群の治療 ―長期的な視点から考える―
  • [学会発表] 薬物療法に併用してアクセプタンス&コミットメント・セラピーを実施した二次性筋骨格系疼痛の一症例2021

    • 著者名/発表者名
      酒井 美枝, 杉浦 健之, 近藤 真前, 永田 富義
    • 学会等名
      第50回日本慢性疼痛学会

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公開日: 2022-12-28  

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