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2023 年度 実施状況報告書

慢性疼痛患者の適応過程の分析とACTプログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K13326
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

酒井 美枝  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (80813120)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2025-03-31
キーワード慢性疼痛 / アクセプタンス&コミットメント・セラピ / 集学的アプローチ / 補償を伴う選択的最適化理論 / ACT
研究実績の概要

慢性疼痛患者の生活の質を向上させる心理的アプローチとして、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)の有効性が示されてきたが、身体機能の低下が著しい場合にどのように適応するか、という課題が残されている。
本研究では、この課題の解決を目指して、①慢性疼痛患者に対して、暫定版のACTプログラムを実施し、その結果生じる適応過程について、行動レベルでの質的分析を行う、②その分析結果をもとに、幅広い病態の慢性疼痛患者に適用可能な改訂版のプログラムを作成し、その効果について予備的検討を行う、ことを目的としている。さらに、それらの研究を通して、無作為比較試験によって改訂版ACTプログラムの効果検証を行う準備を整えることを目指している。
2020年度までに、暫定版ACTプログラムを用いて、予備的単群介入研究を行い、幅広い病態の慢性疼痛患者23名に対する集団形式の介入とフォローアップ面接が終了している。また、本研究への参加が困難であった一部の患者には、プログラム内容を一部改変して介入を行った。2021~2023年度においては、2020年度に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、個別形式でも研究データを取る形とした。作成した改訂版ACTプログラムは個別形式での介入を進めており、現在までに、65名程度の患者が登録され、継続介入中である。その結果は、事例報告の形で「第16回日本運動器疼痛学会」や「第53回日本慢性疼痛学会 」などの関連学会において、研究報告を行った。
以上の実績により、現在は、上述の①が完了し、②の改訂版プログラムの施行継続とデータ収集を整えている状態である。①の結果については論文投稿を行い、審査中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は、改訂版ACTプログラムを用いて、個別形式で予備的検討を進めてきた。個別形式では、現在までに、65名程度の参加登録があり、フォローアップ面接がほぼ終了し、データ収集を整えている状態である。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、介入を個別形式に切り替えたことで、データ収集に時間を要している。

今後の研究の推進方策

2024年度は、改訂版ACTプログラムの効果の予備的検討を継続し、関連学会での発表や論文化を進める。

次年度使用額が生じた理由

現在、終了分の研究成果を英語論文として投稿中である。英文校閲費・論文投稿費などが発生する見込みである。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] 痛みの難治化に対するアクセプタンス&コミットメント・セラピーの視点2023

    • 著者名/発表者名
      酒井美枝
    • 雑誌名

      日本運動器疼痛学会誌

      巻: 15 ページ: 124-130

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 慢性痛患者に対する心理社会面の評価の実際2023

    • 著者名/発表者名
      酒井美枝
    • 雑誌名

      慢性疼痛

      巻: 42(1) ページ: 19-22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 身体症状症の治療戦略―難治例へのテーラーメイド治療―2023

    • 著者名/発表者名
      名越 泰秀, 富永 敏行, 酒井 美枝, 舘野 歩
    • 雑誌名

      精神神経学雑誌

      巻: 125(12) ページ: 1010-1022

    • 査読あり
  • [学会発表] あなたの慢性疼痛診療に活かそう!アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)2023

    • 著者名/発表者名
      酒井美枝
    • 学会等名
      第27回日本ペインリハビリテーション学会学術大会
    • 招待講演
  • [学会発表] グリーフに対するアクセプタンス&コミットメント・セラピーの可能性2023

    • 著者名/発表者名
      酒井美枝
    • 学会等名
      第22回日本トラウマティック・ストレス学会
  • [学会発表] 慢性疼痛に対するアクセプタンス&コミットメント・セラピー2023

    • 著者名/発表者名
      酒井美枝
    • 学会等名
      日本認知・行動療法学会第49回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] アクセプタンス&コミットメント・セラピーを行い,3カ月でQOLが改善した 慢性二次性筋骨格系痛の症例2023

    • 著者名/発表者名
      酒井美枝, 佐藤玲子, 山本恵美子, 青木晃大, 永田富義, 杉浦健之
    • 学会等名
      第16回日本運動器疼痛学会
  • [学会発表] 慢性疼痛に対するアクセプタンス&コミットメント・セラピー2023

    • 著者名/発表者名
      酒井美枝
    • 学会等名
      第85回日本心身医学会中部地方会
    • 招待講演
  • [学会発表] 心理職から見た “上手くいった”多職種連携・協働の実例2023

    • 著者名/発表者名
      酒井美枝
    • 学会等名
      第53回日本慢性疼痛学会

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公開日: 2024-12-25  

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