がん患者にとって「治癒不能」を意味する「進行・再発」の精神的なストレスは、初発時よりも大きい。全身状態の確実な悪化が予測される中、精神状態を改善・維持は重要である。 本研究では、これまでに我々が開発した「治癒不能がん患者の心的外傷後成長を目指した集団精神療法プログラム」を、研究期間中にのべ66回、のべ165名を対象に実施した。また、実施可能性と介入効果について対象者を通して検討しつつ、ファシリテーションなど運営側の改善すべき点についても詳細な検討を行った。本プログラムの構成はシンプルではあるが、重要なテーマについて話し合いを重ねることで、参加者に心的外傷後成長が生じることが明らかになった。
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