本研究では反応スタイルは複数の因子で捉える必要性があること,および,4週間後の抑うつを予測する反応スタイルが明らかになった。その結果,将来の抑うつを予測する反応スタイルを特定することが可能となった。また,メタ受容を媒介変数に組み込んだ抑うつの因果モデルの構築を試み,抑うつスキーマ,自動思考,反応スタイル,メタ受容がどのように抑うつに影響を及ぼしているのかを明らかにした。モデルの改良は今後必要であるが,抑うつの持続と回復のメカニズムの解明に寄与するものとなった。本研究で得られた知見は,治療的観点から抑うつを軽減させ,健康予防的観点から抑うつを増強させない介入法の開発を進める一助となったと考える。
|