うつ病に対する治療法の一つである認知行動療法は有効でされているが、その効果には個人差がある。個人差が生じる要因の一つとして、うつ症状の改善の仕方と治療効果との関連が指摘されている。 本研究では、うつ病に対して認知行動療法を行った際に、どの時点でどのくらいのうつ症状の改善が認められると、認知行動療法終了時点の効果予測ができるのかを検討した。その結果、治療の折り返しを少し過ぎた、開始後10週時点のうつ尺度(QIDS)の得点が10点以下、もしくは開始時から10週までの得点減少率が62%以上だと、認知行動療法終了時の寛解(症状がほとんどない状態)を高確率で予測できることが示唆された。
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