研究課題/領域番号 |
18K13330
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
平野 真理 東京家政大学, 人文学部, 講師 (50707411)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | レジリエンス / アセスメント / 多様性 / 介入プログラム / 臨床心理学 |
研究実績の概要 |
本課題の目的は、レジリエンス(ストレス状況における適応・回復力)を促進するための臨床心理学的介入において、レジリエンスを単に「高める」のではなく、自分なりのレジリエンスを「発揮する」ことを目指すアプローチを開発することである。レジリエンスの“高さ/低さ”だけではない、多様な在り方を捉えるツールを通して、その人に合ったレジリエンスを発揮していくことを支える新たなアプローチの実現を目指すために、平成30年度はまず、参加者が自分なりのレジリエンスに気づいていくためのワーク(ツール)の開発に取り組んだ。具体的には、以下のとおりである。 (1)参加者が自分なりのレジリエンスに気づいていくためのワーク(ツール)のひとつである「主観的イメージに気づくワーク」(自分にとっての落ち込みと回復のイメージの写真を撮影する)についてのデータ分析を行い、ワークを通して本人のレジリエンスの文脈性(環境・他者から~自分の意志)と主観性(認知的~行動・体験的)が読み取れることを見出し、学会発表を行った。 (2)「レジリエンス観に気づくワーク」(刺激語に続く言葉を記入する)についてのデータについても再分析を行い、そこから本人にとってのレジリエンスの定義(一義的~多義的)・位置づけ(不可欠~付加価値)・保有のあり方(意図的~偶発的)が読み取れることを見出した。 (3)大学生を対象に、いくつかのワークを含んだプログラムの試行的実施を行い、ワークのプログラムとしての有用性・適用性および改善課題を確認し、論文化を行った。 その他、個人のレジリエンスのアセスメントに関する基礎的知見を得るための調査および論文化にも取り組んだ。これらの研究知見を通して、個人のレジリエンスを多面的に捉えるためのプログラムの構成を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年度中に実施する予定であったインターネット調査について準備が遅れ、年度内の実施ができなかった。そのため、個人の有するレジリエンスを多面的に捉えるためのプログラムのうち「時間的特性に気づくワーク」および「関係的特性に気づくワーク」についての開発が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度中に実施する予定であったインターネット調査を平成31年度の前半に実施し、ワークの分析・検討を行った上で、個人の有するレジリエンスを多面的に捉えるためのプログラム構成を確定させ、当初の予定通り平成31年度にプログラムのフィールド・トライアルに取り掛かる。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度に実施予定であったインターネット調査の準備が遅れ実施できなかったため、その分の予算が残された。次年度前半に、この予算を用いて調査を実施する。その他は当初の計画通りに予算を使用する。
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