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2018 年度 実施状況報告書

反すうと衝動性:相互増強効果と抑うつを強める過程の検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K13333
研究機関東海学院大学

研究代表者

長谷川 晃  東海学院大学, 人間関係学部, 准教授 (00612029)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード抑うつ / うつ病 / 反すう / 衝動性 / 脆弱性 / ストレス / 潜在変数 / 認知行動療法
研究実績の概要

2018年度には、前年度に収集したデータの解析と論文投稿を行った。この研究では、4つの大学に所属する大学学部生・大学院生176名(男性89名、女性87名、平均年齢20.38歳、SD = 1.88)を対象に実験を行った。各参加者に対して衝動性を測定する3つの課題を実施し、その後、反すう、抑うつ、ストレッサー(ストレスフルな出来事)、および衝動性に関する質問紙に回答を求めた。3つの衝動性の実験課題に対するパフォーマンスを観測変数とし、そこから構成される潜在変数を外生変数とした共分散構造分析の結果、衝動性はストレッサーの増加を介して反すうの頻度を増加させることが示唆された。また、衝動性はストレッサーや反すうの増加を介して抑うつを強めることが示唆された。それに加えて、実験課題で測定された衝動性と質問紙で測定された衝動性の相関は非常に弱く、2種類の指標が異なる構成概念を反映していると考えられた。以上の結果については論文としてまとめて国際誌に投稿し、現在審査を受けている。
2018年度の後半には次年度に実施予定である実験の準備を行った。既に予備実験を実施し、研究倫理委員会から研究実施の承認を得ており、2019年度にはすぐに実験を開始できる状況になっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2017年度に実施した研究のデータ収集に時間が掛かり、そのデータ解析と論文投稿を2018年度に行う必要があったために、今年度に行う予定であった実験の開始を遅らせることとなった。研究実績の概要に記した通り、前年度に行った研究の論文投稿を終え、今後の研究を行う上でのヒントが得られたため、次年度の研究計画を洗練することができた。2019年度には早々にデータ収集を開始し、研究を進展させる予定である。

今後の研究の推進方策

2018年度中に予備実験を実施し、研究倫理委員会から研究実施の承認を得ているため、2019年度にはすぐに実験を開始する。7月までにデータ収集が完了する見込みであるため、年度内にデータ解析や論文投稿を行うことができると考えられる。並行して、次に行う研究の計画を詰める予定である。

次年度使用額が生じた理由

2018年度に実施予定であった実験を行うことができず、参加者に進呈するQUOカードを購入しなかったため、次年度使用額が生じた。2019年度には実験を実施するため、その実験で参加者に進呈するQUOカードを購入するために使用する。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2020 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) 図書 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] How Autistic Traits, Inattention and Hyperactivity-Impulsivity Symptoms Influence Depression in Nonclinical Undergraduate Students? Mediating Role of Depressive Rumination2020

    • 著者名/発表者名
      Horibe, K. & Hasegawa, A.
    • 雑誌名

      Current Psychology

      巻: 39 ページ: 1543-1551

    • DOI

      10.1007/s12144-018-9853-3

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 大学生の両親に対する行動と両親からのソーシャル・サポート,家族機能,抑うつの関連2019

    • 著者名/発表者名
      田中奈津美・長谷川晃
    • 雑誌名

      感情心理学研究

      巻: 26 ページ: 36-46

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 親の養育態度が大学生の不登校傾向に及ぼす影響:賞賛獲得欲求・拒否回避欲求および対人ストレスを媒介変数として2018

    • 著者名/発表者名
      堀綾華・長谷川晃
    • 雑誌名

      東海学院大学紀要

      巻: 12 ページ: 29-39

  • [学会発表] 質問紙と実験課題で測定された衝動性の関連:行動的衝動性に対する潜在変数アプローチを適用して2018

    • 著者名/発表者名
      長谷川晃・杣取恵太・西村春輝・服部陽介・国里愛彦
    • 学会等名
      日本認知・行動療法学会第44回大会
  • [学会発表] 大学生用ひきこもり親和性尺度の作成2018

    • 著者名/発表者名
      下野有紀・長谷川晃・土原浩平・国里愛彦
    • 学会等名
      日本認知・行動療法学会第44回大会
  • [学会発表] 親の養育態度が大学生の不登校傾向に及ぼす影響:賞賛獲得欲求・拒否回避欲求および対人ストレスを媒介変数として2018

    • 著者名/発表者名
      堀綾華・長谷川晃
    • 学会等名
      日本認知・行動療法学会第44回大会
  • [学会発表] ネガティブな内容の自己開示動機尺度の作成と信頼性・妥当性の検討2018

    • 著者名/発表者名
      塚本亮太・長谷川晃
    • 学会等名
      日本認知・行動療法学会第44回大会
  • [学会発表] 認知行動的心理教育プログラムの援助者の違いが主観的幸福感や抑うつに及ぼす影響2018

    • 著者名/発表者名
      北田里奈・長谷川晃・願興寺礼子
    • 学会等名
      日本認知・行動療法学会第44回大会
  • [図書] 17章 青年期・成人期の感情障害、トピック 日本における抑うつと反すうの関連、『感情心理学ハンドブック』2019

    • 著者名/発表者名
      長谷川晃(有光興記・石川隆行・大平英樹・榊原良太・澤田匡人・中村真・樋口匡貴・武藤世良・湯川進太郎(編))
    • 総ページ数
      印刷中
    • 出版者
      北大路書房
  • [図書] 第3章 感情と認知的評価、『公認心理師の基礎と実践 第8巻 感情・人格心理学』2019

    • 著者名/発表者名
      長谷川晃(杉浦義典(編))
    • 総ページ数
      印刷中
    • 出版者
      遠見書房
  • [図書] 2-19 うつ病の認知モデルの基礎研究、5-31 CBTの展開:うつ病に対する新たなアプローチ、『認知行動療法事典』2019

    • 著者名/発表者名
      長谷川晃(日本認知・行動療法学会(編))
    • 総ページ数
      印刷中
    • 出版者
      丸善出版
  • [図書] 日本語版抑うつ状態チェックリスト改訂版、『パーソナリティ心理学入門』2018

    • 著者名/発表者名
      長谷川晃(鈴木公啓・荒川歩・太幡直也・友野隆成(著))
    • 総ページ数
      160
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      4779513286
  • [備考] 東海学院大学人間関係学部心理学科実験精神病理学研究室 長谷川晃のホームページ

    • URL

      http://ahasegawa.com/

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公開日: 2019-12-27  

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