研究課題
2019年度には大学生を対象とした実験を行い、抑制機能の2つの下位側面が反すうや抑うつを強める過程について検討を行った。国内の4つの大学で実験を行い、213名の大学学部生と大学院生の協力を得た。各参加者には、反応抑制と注意の抑制を測定する実験課題を実施し、続いて抑うつ、反すう、攻撃行動、および過去3ヶ月間に経験されたストレスフルな出来事を測定する質問紙に回答を求めた。分析の結果、反応抑制は攻撃行動と対人関係に関するストレッサーを介して反すうを増加させ、抑うつを強める一方、注意の抑制と反すうの関連については関連が認められなかった。以上の結果は、反すうの増加を導く実行機能の下位側面を特定する足掛かりとなる知見であると言える。なお、この研究では、反応抑制を測定する代表的な課題であるGo/No-Go課題における、適切な刺激と刺激の間の時間(Inter-stimulus interval)の探索についても検討を行った。以上の結果の一部については既に論文としてまとめて国際誌に投稿を行っており、2020年度の前半に残りのデータの論文化も行う予定である。更に、得られたデータの学会発表についても、2020年度のいずれかの学術大会で行う予定である。2019年度の後半には、今年度に行った研究の限界点を改善するための次なる研究計画の立案も行った。この立案を行うために、関連する文献に目を通した上で、質問紙の作成を行った。
2: おおむね順調に進展している
当初の予定通りに研究を実施することができた。
2019年度に行った研究の限界点を改善するための調査を行う予定である。既に学内の研究倫理委員会から研究実施の承認を得ているため、状況が整い次第、調査を行う。並行して、これまでに取得したデータの論文化も行う。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (1件) 図書 (2件) 備考 (1件)
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http://ahasegawa.com/