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2019 年度 実施状況報告書

母の産後うつと児のアレキシサイミア傾向の関連の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K13343
研究機関浜松医科大学

研究代表者

崔 多美  浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (50791836)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードアレキシサイミア / 産後うつ / 子ども / 問題行動 / 言語発達
研究実績の概要

先行研究によると、母の産後うつは母と児の適切なコミュニケーションを低下させ、児の発達にネガティブな影響を及ぼす。このような背景を踏まえ、本研究では母の産後うつと児のアレキシサイミア(自分の感情を識別し表現する能力の損傷)傾向との関連を見ることを本来の目的とした。しかし、対象コホート研究の全体スケジュールとの調整の結果、当初の目的を多少修正し、子どもの精神健康の指標としてアレキシサイミア傾向の代わり、コホート研究で既に測定されている問題行動(behavioral problem)を用いることにした。
研究1年目には母の産後うつが児の特定遺伝子多型(oxytocin receptor gene rs53576)と交互作用しながら児の問題行動の外在化問題(externalizing problem)に影響を及ぼすという結果を国内学会で発表した。研究2年目には、この結果を論文化し国際ジャーナルに発表した(Choi D et al., 2019, Scientific Reports, 9, e.7685)。
更に研究2年目の追加研究として、表出言語(expressive language)能力と子どもの問題行動の関連を調べた。その結果、生後6ヶ月から40ヶ月までの表出言語能力の発達の遅れが、6歳になった時の問題行動の内在化問題(internalizing problem)と関連することを確認した。この結果は国際学会(14th International Conference on Child and Adolescent Psychopathology)と国内学会(日本赤ちゃん学会第19回学術集会)で発表された。また、現在国際ジャーナルに投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の成果を国際ジャーナルに発表することができた(Choi D et al., 2019, Scientific Reports, 9, e.7685)。また、関連する他の研究成果を国内及び国際学会で発表した。

今後の研究の推進方策

研究3年目には、2年目に引き続き幼児期の表出言語能力と子どもの問題行動との関連を国際ジャーナルに発表することを目的とする。

次年度使用額が生じた理由

本研究課題の目的はコホートのデータを用いて、母の産後うつと子どもの精神健康との関連を調べることである。しかし、対象のコホートが大規模の参加者(約900名)で構成されており、データの集計・整理に予想より時間が掛かった。そのため論文投稿や学会発表が遅れ、本来使用予定であった論文掲載料や出張費を使えず、次年度使用額が生じた。使えなかった論文掲載料と出張費は、次年度(3年目)に支出する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Interaction effect of oxytocin receptor (OXTR) rs53576 genotype and maternal postpartum depression on child behavioural problems2019

    • 著者名/発表者名
      Damee Choi, Kenji J Tsuchiya, Nori Takei
    • 雑誌名

      Scientific reports

      巻: 9 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41598-019-44175-6

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Developmental pathways from receptive and expressive language ability to child behavioural problems2019

    • 著者名/発表者名
      Choi D, Tsuchiya KJ, Takei N
    • 学会等名
      14th International Conference on Child and Adolescent Psychopathology
    • 国際学会
  • [学会発表] 子どもにおける受容と表出の言語発達と問題行動との関連2019

    • 著者名/発表者名
      崔多美、武井教使、土屋賢治
    • 学会等名
      日本赤ちゃん学会第19回学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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