概ねの先行研究は母の産後うつが児の発達にネガティブな影響を及ぼすことは報告されてきたが、その結果が一貫されない場合もあり、母の産後うつと児の発達との関連が見られない研究もあった。本研究では母の産後うつは特定遺伝子タイプを持つ児のみの外在化問題に影響を及ぼすことを発見した。言い換えると、本研究は母の産後うつに影響されやすい子、そうではない子がいるということ、またその背景には遺伝的要因があることを明らかにしたということで学術的意義を持つ。また、産後うつは子を出産した母の約10%が経験する精神的疾患である。本研究の結果は、このような母とその家庭への支援の必要性を強調するということで社会的意義を持つ。
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