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2020 年度 実施状況報告書

統合失調症患者のメタ認知を客観的に評価する手法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18K13351
研究機関札幌医科大学

研究代表者

森元 隆文  札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (60516730)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード統合失調症 / メタ認知 / 妄想 / 視線解析
研究実績の概要

本研究では、正解確信度の評定を含む表情認知課題を用いて統合失調症のメタ認知を客観的に捉える新たな評価法を確立するために、「(1) 本研究で評価されるメタ認知指標と統合失調症患者の妄想の重症度との関連の検証」「(2) 表情認知課題実施中の顔の各領域における注視点数と、メタ認知指標との関連の検証」「(3) 統合失調症患者のメタ認知について、本研究のメタ認知指標を用いて健常成人との比較にて検証」を進めている。
今年度は、昨年度までに収集した統合失調症患者を対象としたデータをもとに、上記の目的(1)、(2)に沿って、メタ認知指標、および表情認知課題実施中の視線解析データと統合失調症患者の症状の重症度との関連性を重回帰分析にて検証した。その結果、メタ認知指標、および顔の領域の中の「口」の領域の注視点数と妄想の重症度との間に有意な関連が確認された。以上から、妄想が軽度である者ほど、表情認知課題中のメタ認知的判断ができている、または顔写真の中心から最も離れているパーツである「口」の領域をよく見ているという傾向がある、という現象を反映していると考えた。
また、研究目的(3)に沿った健常成人を対象としたデータ収集を一昨年度より開始しているが、こちらはデータ収集を続けており未解析である。なお、ここまでのデータ解析の一部については、2020年に新潟で開催された第54回日本作業療法学会(web開催)において報告している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2020年度は健常成人を対象としたデータ収集をおおむね終了させる予定であったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う諸業務への対応が増加した。また、実験室の感染予防に配慮した環境整備は進めたが、応募されていた複数名の被験者が感染状況の変化に伴い来学困難となったため、データ収集を進めることができなかった。以上から、「遅れている」と判断した。

今後の研究の推進方策

引き続き、健常成人を対象としたデータ収集を進めていくために、補助事業期間の延長を申請した。今後もCOVID-19の感染状況によっては協力者を募集できない、あるいは研究協力のために来学できない可能性はあるが、パーテーションや感染対策の消耗品などを整備したため、被験者に無理のない範囲でデータ収集をすすめ、データ解析を行う。
成果発表については、論文投稿による発表を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

今年度はデータ収集を進めることができなかったため、次年度はデータ収集を進めるために人件費と謝金を使用する。また、データ解析にあたり新しい解析ソフトウェアが販売されているため、物品費を用いて購入する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 統合失調症に対する作業療法士による介入の内容と効果: 英語論文を対象とした文献レビュー2021

    • 著者名/発表者名
      森元隆文, 横山和樹, 池田望
    • 雑誌名

      札幌保健科学雑誌

      巻: 10 ページ: 13-24

    • DOI

      10.15114/sjhs.10.13

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 統合失調症2020

    • 著者名/発表者名
      森元隆文
    • 雑誌名

      作業療法ジャーナル

      巻: 54 ページ: 805-811

    • DOI

      10.11477/mf.5001202184

  • [学会発表] 統合失調症患者の症状と表情認知課題中のメタ認知的判断, 眼球運動との関連2020

    • 著者名/発表者名
      森元隆文, 横山和樹, 松山清治, 池田望
    • 学会等名
      第54回日本作業療法学会

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公開日: 2021-12-27  

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