研究課題/領域番号 |
18K13356
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研究機関 | 常磐大学 |
研究代表者 |
樫村 正美 常磐大学, 人間科学部, 准教授 (00550550)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / 軽度認知障害 / 介護家族 / 心理教育 |
研究実績の概要 |
本研究は軽度認知障害の高齢者,およびその家族を対象とした認知行動療法プログラムの実施可能性,およびその効果について検証することを目的としたものである。助成期間を延長した令和3年度であったが,状況はあまり変わらず新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け,研究代表者の所属機関の周辺機関からの協力を取り付けることは困難であり,予定していた介入研究を実施することが全くできなかった。昨年度に実施方法について模索していたオンラインによる介入だが,研究代表者の所属機関周辺の地域性から,その実施は極めて困難であることもわかってきた。このため,当初の予定通りに対面による介入研究の実施を行うためには,感染状況が落ち着いてくるまで待つしかなかったことが正直なところである。 身動きの取れない状況下で行った研究活動としては,これまでの成果をまとめて令和3年度に開催された日本精神衛生学会での研究発表,大学紀要への原稿投稿などが挙げられる。また,本研究で実施する介入研究のアウトカムとして利用可能な海外で開発された尺度に注目し,その尺度開発のための準備を行ってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍の影響により,近隣の関係機関に対して本研究への協力を取り付けることができなかった。また,近隣地域在住の高齢者やその家族としても感染拡大の状況下で対面での介入を受けることへの強い抵抗感があったことも確かである。これまでは研究代表者所属の付属の機関を通じた研究を進めることがどうにかできていたものの,令和3年度より代表者の所属機関が変わったことも大きく影響している。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年5月現在,少しずつ感染状況が穏やかになりつつあり,研究へのリクルート活動を再開できると考えている。再延長のため残された時間の中で,当初計画していたパイロットの比較試験を実施するまでには到底至らないが,介入単群への前後比較試験の実施とその結果の解析までを令和4年度の最終目標としたい。昨年度の研究推進方策で考えていたオンラインによる介入計画については,研究代表者の所属する機関の周囲の地域性から考えて,実現は困難であると判断し,当初の予定通りに対面による介入研究を実施していきたいと考えている。また,令和3年度に準備を進めてきた尺度開発のための調査研究も同時並行に実施していく予定である。 所属機関がある自治体の広報誌を利用する,また近隣の医療・福祉に関わる専門機関などを通して本研究の広報活動を行い,研究参加者を募集し,介入研究を再開したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型感染症の感染拡大の影響により,令和3年度に計画していた対面による介入研究を実施することができなかった。そのため,介入に要する物品費や謝金の支出もなく,また外出自粛による学会等の出張旅費も発生しなかったことから,令和3年度の予算執行率は16.4%にとどまった。これは,令和4年度への再延長が可能であるとの連絡を受けたため,不要な支出を抑えて令和4年度を迎えようと判断したためでもある。 令和4年度は残された時間内で介入単群による前後比較試験を実施する予定であり,そこで発生する費用に助成金を使用する。また本年度は介入に利用可能な尺度の開発も行う予定であり,その調査費用にも助成金を使用する。
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