研究課題/領域番号 |
18K13362
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
川島 義高 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神薬理研究部, 特別研究員 (20647416)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 心理職 / 学生 / 専門職連携教育 / プログラム開発 / 介入研究 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、心理職養成課程の学生を対象にした専門職連携教育(Interprofessional Education:IPE)プログラムを開発し、そのプログラムの実施可能性、安全性、有効性を検討することである。 平成30年度は、わが国でIPEおよび関連する教育プログラムを先駆的に進めている施設を訪問し、IPEプログラムの内容、運営、評価方法に関して意見交換を行いプログラム開発に資する情報を収集した。さらに、IPEに関する国内外の先行研究や公開されている資料を収集し、国や機関ごとの専門職連携コンピテンシーの概念の整理、先行研究の研究デザインやアウトカム評価方法などに関する限界点の整理を進めた。加えて、系統的レビューの手法を用いて、医療領域で心理職が他職種と協働する際に必要とされる知識やスキルを探索した先行研究を抽出し、心理職に求められるエッセンスを整理した。そして、収集した情報を基に本研究で開発するIPEプログラムは、医療専門職の養成課程に在籍する学生で構成するプログラムとすること、既存のIPEプログラムの短縮化を試みることとした。 さらに本年度は、次年度にIPEプログラムのパイロット試験を実施するための体制構築を進めた。具体的には、パイロット試験の対象者(心理学専攻の学生、医学生、看護学生、薬学部生など)のリクルートをスムーズに行えるように、医学部などで学生教育に従事している研究者に本研究の趣旨を伝えて協力体制を構築した。加えて、最終年度で実施予定のコントロール試験に向けて、対照群のプログラム作成に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、当初の研究計画通りにIPEプログラム開発の要となる専門職連携コンピテンシーの概念を検討し、さらにIPEプログラム開発に資する情報を収集した後にプログラム暫定版を生成した。そして、次年度にパイロット試験を実施するための基盤を整えた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で開発した短期型IPEプログラムのパイロット試験を行い、実施可能性と安全性を検討する予定である。また、本パイロット試験を実施するための倫理委員会申請や教材準備を並行して進めることとする。研究対象者は、心理職養成課程に在籍し将来医療領域での勤務を希望している学生に加え、医学生、看護学生、薬学部生などとし、スムーズに対象者のリクルートを実施できるように本年度築いた研究協力体制を維持していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、IPEプログラム実施およびデータ収集のために持ち運びが容易なパソコンを初年度に購入予定であったが、プログラム実施およびデータ収集は2年度目に行う計画であったため、パソコンは2年度目に購入することとした。そのため、次年度使用額が生じた。
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