研究実績の概要 |
昨年度に引き続き,計画した記憶実験をオンラインで実施するためにオンライン実験開発への習熟を目指した。その一貫として,日本心理学会大会において,オンライン実験に関するシンポジウムの企画と話題提供を行った(川島・小林・紀ノ定・小林・水野・山本,2022)。 日本認知心理学会において実施したシンポジウムに関する講演論文も執筆し,記憶とテクノロジーの関連について議論も行った(伊藤・松本・小林・西山・三好・村山・川口, 2022) また,記憶の制御に関連する研究として,思考制御能力に関する素朴信念を測定する尺度であるマインドワンダリングに関する暗黙理論尺度の日本語版の作成(服部・小林・松本・川口,印刷中)にも取りくんだ。 また,自伝的記憶とパターン分離に関する研究(Matsumoto,, Kobayashi, Takano, K, Lee, 2022)や自伝的記憶の検索過程に関する研究(Matsumoto, Watson, Fujino, Ito, & Kobayashi, 2022)なども行った。 ある記憶を思い出すこと(検索)が他の関連する記憶の忘却を導くという検索誘導性忘却については昨年度に引き続き,系列記憶の検索誘導性忘却のシミュレーション研究を行いつつ,実験実施の準備を行った。 忘れるよう求めることで忘却が消磁するという指示忘却については,項目法による指示忘却パラダイムを用いて,食物画像の美味しさを低下させるという研究を実施し,その成果を日本認知心理学会にて発表した(小林・大竹,井上,2022)。この成果を参考に本研究における指示忘却による評価の低下実験を行うための準備も行った。
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