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2021 年度 実施状況報告書

モジュラス付きChern類と代数的サイクルの高次の構造

研究課題

研究課題/領域番号 18K13382
研究機関東北大学

研究代表者

甲斐 亘  東北大学, 理学研究科, 助教 (00804296)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードChow群 / Green-Taoの定理 / Hodge-Witt層 / 素数 / 数体の素元 / Green-Tao-Zieglerの定理 / 代数的サイクル / K理論
研究実績の概要

Hodge-Witt層の不分岐コホモロジーを始めとする、P^1 不変層の性質について共同研究を行なっていたが、これを5月にプレプリントとして出し、2022年3月にはオンライン出版されるに至った。

別の共同研究で、Green-Taoの定理の数体への拡張をプレプリントとして既に出していたが、細部の改善と文章の磨き直しの大掛かりな作業をかなり進めることができた。

更に強力な定理である、Green-Tao-Zieglerの定理がある。大まかに言うと、Green-Taoの定理が ax + y(aは有限個の整数を動く)が同時に素数になるような x, y の存在を保証しているのに対して、Green-Tao-Zieglerの定理は ax + by(a, bは有限個の整数を動く)が同時に素数になるような x, y の存在を保証している。
これも数体の素元に拡張したい。2021年度は、Green-Tao-Zieglerの定理に関連する論文群を読み込み、数体の場合の戦略を描くことができた。数多くあるステップのうち、一部には着手することもできた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究課題の中心的な対象である、モジュラス付きチャーン類についてはあまり進捗がなかった。モジュラス付きサイクル複体に、交叉積の可換性を表現するガンマ空間構造を与える作業が失敗していたが、これを救える可能性のあるホモトピー論のテクニックを習得中である。
Hodge-Witt層などのP^1不変層に関する研究で、サイクルの移動のテクニックが活きたのは嬉しい展開だった。
Green-Tao-Zieglerの定理を、数体の素元に拡張するための試みでも、進捗を見たのでよかった。

今後の研究の推進方策

Hodge-Witt層の研究をよく検討するとlogモチーフの圏との関わりで新しいことがわかる可能性があるらしいと聞いたので、検討してみたい。
Green-Tao-Zieglerの定理を数体に拡張するためのやや具体的なプログラムを描けたので、これにも取り組んでいきたい。
ホモトピー論の勉強を進め、モジュラス付きサイクル複体のガンマ空間構造を救う作業にも取り組めることが望ましい。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの流行により、研究集会がオンラインになったり、研究打ち合わせのための旅行が実施できなくなり、次年度使用額が生じた。今年度は、研究集会や研究打ち合わせのための旅行を徐々に実施していく。電子書籍の購入もおこなう。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] ミラノ大学(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      ミラノ大学
  • [雑誌論文] Unramified logarithmic Hodge-Witt cohomology and P^1-invariance2022

    • 著者名/発表者名
      Kai Wataru、Otabe Shusuke、Yamazaki Takao
    • 雑誌名

      Forum of Mathematics, Sigma

      巻: 10 ページ: -

    • DOI

      10.1017/fms.2022.6

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 数体に対するGreen-Taoの定理2021

    • 著者名/発表者名
      甲斐亘
    • 学会等名
      代数的整数論とその周辺2021
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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